2026年3月29日(日)13:00開演
札幌コンサートホール kitara 小ホール
ギター:鈴木大介
スペシャル・ゲスト:沖仁
目次
program
● J.S.バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス、キリストよ
G線上のアリア
● 武満徹(編:鈴木大介):さようなら / 見えないこども / 明日ハ晴レカナ、曇リカナ / 〇と△の歌 / ワルツ『他人の顔』より
● アルベニス:前奏曲(アストゥリアス )/ セギディージャズ~組曲「スペインの歌」Op.232
より
intermission
● J.S.バッハ:懺悔と後悔~『マタイ受難曲』より
●ファリャ:スペイン舞曲第1番~オペラ『はかなき人生』より
粉屋の女房の踊り~バレエ音楽『三角帽子』より
メドレー ムーア人の織物~狐火の踊り
●ボッケリーニ:ファンダンゴ
●沖仁:ファンタズマⅡ
● 鈴木大介:はげまし
●J. ロドリーゴ(編:沖仁 ):アランフェス協奏曲 第2楽章
encore
● パコ・デ・ルシア:二筋の川
● 武満徹:波の盆
春の午後に聴く極上のギター

4年連続で鈴木大介さんのギター・リサイタルを聴きました。今年は日曜日の午後1時から。TVで聴いたことがあるギタリストの沖仁さんがスペシャル・ゲストとうことで楽しみです。
プログラムの最初は、宗教・世俗問わず膨大な名曲を残した「音楽の父」バッハから2曲。。バッハの音楽を語る上でパッション(受難曲)は欠かせない非常に重要なジャンルです。

武満徹さんの没後30年記念の出たばかりのアルバム「海へ」を選びました。このアルバムから4曲演奏されましたが、面白かったのは「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」という曲という蚊エピソード。黒澤明監督の映画「乱」の音楽を担当した武満さんが即興でピアノを弾いて歌ったのですって。明日の監督のご機嫌はどうなるのだろうとスタッフさんたちは毎日ドキドキしたことでしょう。
サインは最初に沖仁が右下の方に書いてくださいました。とても温厚そうな方ですが、演奏はパッションそのものでした。右上は鈴木大介さんのサインです。
前半の最後はアルベニスの組曲「スペインの歌」から有名な「アストゥリアス」とセギディージャズ。何度も書いていますが、原曲はピアノなのです。ギター編曲の方が似合っているように思います。
後半に沖仁さんとたっぷり共演したいとのことで、前半は鈴木さんのソロで短めにされたようです。
後半はお二人でたっぷりと!

時々お二人で演奏されるようですが、同じ作品を渡辺香津美さんと一緒に演奏されたこともあって、その時の様子が蘇ってきたというようなことを鈴木さんがお話されました。沖仁さんは、この後のプログラムはけっこう凄まじいようで「あまり喋っている場合はない」と対照的でした。
アルベニス、ファリャとあと有名な作曲家の名前が思い出せなかった。(後でグラナドスだと判明)。レパートリーが広いピアニストの舘野泉氏の影響でスペイン音楽にハマっていた時があり、ファリャの「恋は魔術師」などのスコアを沢山集めました。『三角帽子」の「粉屋の女房の踊り」も知っていますし、「狐火の踊り」は「恋は魔術師」の中の1曲。
ポッケリーニのファンダンゴは、お二人の課題曲のような作品で激しいテンポの掛け合いが、とても難しそうでした。この作品を終えて、ホッとされるお二人。楽譜を見て演奏するのが苦手だと沖仁さんは、ご自身の作品「ファタズマⅡ」で譜面台を遠ざけていました。演奏に没頭されました。
次は鈴木大介さんの作品「はげまし」。なんとギターのための12のエチュードを作曲された中の1曲ということです。12のエチュードというとショパンのエチュードを彷彿します。沖仁さん編曲のアランフェスも素晴らしかった。CDが出ていてましたが、リサイタルの後には無くなっていました。

アンコールの最初に「パ・コ・デルシア」の曲と鈴木さんが告げられ、「パ・コ・デルシア」を思い出しました。2001年の5月にキタラで聴けたのは奇跡のようなものだと思いました。あの時は、はじめさんがどうしても聴きたいといってチケットを取りました。その記録があるのでご紹介します。
パコ・デ・ルシア セクステット

2001/5/22 Tue.
場所:札幌コンサートホール Kitara 大ホール
ギター:パコ・デ・ルシア/ラモン・デ・アルヘシーラス/ホセ・マリア・バンデーラー
ベース:カルロス・ベナベン
パーカッション:ルベン・ダンタス
フルート、サックス:ホルヘ・パルド
フラメンコ・ダンス:ホアキン・グリロ
カンテ:ラファエル・デ・ウトゥレラ
今回は珍しく、ギターの演奏会に出かけました。スペイン音楽を勉強していると、ギターで弾いたら、きっとこんな感じになるのかしらと思いながら弾く事がしばしばあって、是非ギターの演奏を生で聴いてみたいと思っていました。
今回はパコ・デ・ルシアさんという素晴らしいアーティストによる演奏はもちろんのこと、フラメンコ・ダンスやカンテ(歌)が入り、スパニッシュな音楽世界を堪能しました。最初にパコ・デ・ルシアさんのソロで始まりました。
暗転した会場の中、暗めのスポットライトに照らされたギターの響きが、スペイン音楽特有の情熱的でほの暗い情念を感じさせ、心に直接響いてきます。 そこへパーカッションが加わり、一段とリズミカルになっていくのですが、手にカスタネットを持っているに違いないと思って聴いていた私は、それが素手によるものだということに気がついて驚きました。彼らは終始リズムを取り続けていましたが、一体どういう手をしているのでしょう? 演奏会が終わったら腫れてしまわないのかしら? と心配になる程の人間打楽器に驚きました。
椅子に座っているかと思えば、その椅子(カホン)を叩いたり、手を叩き、足を打ち鳴らし、まさに全身を使ってのパーカッションは演奏を盛り上げるだけでなく、それだけで素晴らしいパフォーマンスになっていると思います。
フラメンコ・ダンスを踊ったダンサーは男性でしたが、私のイメージではフラメンコは女性が踊るものと思っていました。目を奪われてしまうような激しい動きと、ステップを踏む足もパーカッションとして演奏に加わっていて、スペインの音楽って身体を鍛えなくては演奏できないのでは?と思いました。
カンテが入り、時にはフルート、時にはサックスで語り合うようなアンサンブルは、まさに魂の音楽。 曲も伝統的なスパニッシュの音楽を母体にジャズの要素がずいんぶん取り入れられているといった印象のもので、聴いていて本当に素敵でした。 また、メロディーが無くリズムだけで流れていく場面もあり、不思議な感じがしました。
スペイン音楽のピアノ曲では特にファリャやグラナドスが好きな私ですが、リズムだけが強調される場面があったことを思い出し、やはり通じるものを感じました。 ピアノ曲の演奏でも、これらの多彩な音やダンスの要素が曲の中に含まれているので、実際に聴いて、見ることが出来たことの意義は大きかったと思いました。
聴き応えたっぷりの充実した時間

4年連続で聴いていますが、また来年も是非キタラにいらしてください。ありがとうございました!









