マルティン・ガルシア・ガルシア/ ピアノ・リサイタル2025

ショパンコンクールが終わってから、3年連続でガルシア・ガルシアさんのピアノリサイタルを聴く機会に恵まれ感謝しています。今年も最高の演奏を聴かせていただき、大興奮のリサイタルでした。

2024年11月8日(金)18:30開演
札幌コンサートホール kitara 大ホール
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア

第1部 F.Chopin(F.ショパン)

●バラード 第2番 ヘ長調 Op.38

●スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54

●スケルツォ 第3番 嬰ハ長調 Op39

●3つのマズルカ Op.63 ロ長調、へ短調、嬰ハ短調

●バラード第4番 へ短調 Op.52

intermission

F.Liszt( F.リスト)

●尼僧院の僧房 S.534

●伝説 S.175より 第2曲 ”水の上を歩くパラウの聖フランチェスコ”

●ソナタ ロ短調 S.178

encore

●スクリャービン:エチュード Op.8-12

●ガルシア・ガルシア:Abstoract Op.1-8

●ラフマニノフ:楽興の時 第4番 Op.16-4 ホ短調

●モンポウ:歌と踊り第6番 嬰へ短調 Op.44

●ショパン:ワルツ第5番 Op.42

●モンポウ・子供の情景 No.5

前半はピアノの詩人ショパン

今宵も颯爽とステージに登場したガルシアさん。今年はショパンコンクールがあったので、それを意識してなのでしょうか、前半はオールショパンでした。バラードとスケルツォを中心としたプログラム。1曲ごとに間を置いて集中されますが、遅れてきた人たちが方々から会場に入ってくるのには驚きました。時間を勘違いしたのか、駐車場に停められなかったのかしりませんが、遅れてきた人を演奏中に入れるのはNGだと思います。

今年はピアノリサイタルを初めて聴く人が多かったのか、素晴らしい演奏に感動したのか、演奏がまだ終わっていないのに拍手をして、会場の雰囲気が更に悪くなっていく感じ。せっかくの演奏なのに…。圧巻のバラード4番の演奏が終わって盛大な拍手が送られましたが、ガルシアさんはステージに登場せず、何故?をオーディエンスに訴えていたように思いました。

まるでドラマのように1曲1曲を大切に演奏されていく素敵なプログラムでした。演奏者も聴衆にも配慮をして欲しいものです。

後半はピアノの魔術師リスト

今回のプログラムに、リストのロ短調ソナタが入っていることに歓喜しました。ガルシアさんの演奏で聴けることを、とても楽しみにしていました。

1曲目の「尼僧院の僧房 S.534」は初めて聴きましたが、リストの作品は1,400曲以上もあるそうです。この曲は、「愛の夢 」第3番に似ていました。それにしても、ガルシアさんは楽しそうに歌って演奏されます。2曲目の「伝説 S.175より 第2曲 ”水の上を歩くパラウの聖フランチェスコ”」は、スケールの大きな曲に圧倒され、演奏後に拍手が送られ、この時はガルシアさんも応えていました。

ロ短調ソナタは30分くらい演奏時間を要する大曲。リストらしい華麗でドラマティックな超絶技が盛りだくさん。激しく情熱的な「悪魔的な要素」と、美しく優しい「天上的な要素」の極端な二面性が面白い作品です。ガルシアさんの音の幅がもの凄く、ズガーンと轟くような大きな音、とてもとても繊細な音が交互に聴けて素晴らしかったです。そして、この大曲の後に暫く間を置いて、静寂な空気に包まれながら、ゆっくりとガルシアさんが立ち上がると大きな拍手が送られたことが、きっとガルシアさんも嬉しかったのではないでしょうか。

いつまでも聴いていたいアンコール

ロ短調ソナタの後に、スクリャービンの重厚で難曲のエチュード!2曲目は、魔法のような音楽。はじめさんは「自作?」とつぶやいていましたが、まさに今日買ったCDの中の曲でした。きっと、もう弾かないと思ったお客さんが、けっこう席をたちました。私は、まだまだ弾くと思っていましたよ。そして、華麗なるラフマニノフ!4曲目は大好きなモンポウの「歌と踊り第6番」。ネルソン・フレイエさんのアンコールでは、間違えて「岩と乙女」と張り出されて、吹き出したことがありました。

更に立ち上がった人たちは、まさかの5曲目に立ったまま隅の方で驚いてショパンのワルツを聴いていました。小さな男の子が満面の笑みを浮かべて大きな拍手を送っているのが見えました。こんなに素晴らしいアンコールは、いつまでだって聴いていたいです。それにしても、アンコールの紙に足りずに足された6曲目はモンポウで締めくくられました。サイン会がなければ、またホールの人が止めなければ、まだまだ弾けるのだと思います。ちなみに昨年のアンコールは7曲でした。

サイン会にて

サイン会に並んでいると、後ろにいた男性が「本当にピアノを弾くのが好きなんだね」と話していました。楽しそうに揺れながら歌いながら演奏するガルシアさん、ショパンコンクールのときでさえ、コンクールだということを忘れてしまうような演奏でした。はじめさんに、「グレイト!」と言った後に目を見て「ありがとう」と伝えたらとアドバイスされましたが、ガルシアさんに「ありがとうございます」と言われました。来年もまた北海道に来てください!

 

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