言葉の重み

発表会が終わると、それを区切りにやめる生徒さんが毎年出る。退会する時は事前にお知らせくださいと言っているのだけれど、言い難かったのか、反省会の直前にお電話があった。それに伴って、今回は考えさせられる事が多かった。

昨年の感想文に書いてあった事を、その場で本人に確認すると、スタッフとして頑張りたいという事だった。将来は幼稚園の先生になるのが夢だからピアノが上手に弾けるようになりたいと語った。そうだったのか、嬉しいなと私は思った。ところが、今年に入って、夢が変わったという話を本人から聞いた。やめる理由は、ピアノは好きだけれど塾へ通う事になり部活もあるのでピアノは続けられないという事のようだ。しかし、スタッフをやりたくないのを知ったのは、発表会の直前だった。昨年、感想文を書いていたら一行余ったので書いたというのだ…。期待していただけに、正直がっかり。

最後のレッスンとなった反省会で、スタッフの仕事は立派に務めてくれたし、満足のいく演奏が出来てニコニコしている本人に言うべきか黙っているべきか迷ったけれど、言う事にした。本当は黙っている方がラクなのだ。言うのは物凄くパワーが要るし、やめていく子に言っても仕方がないのかも知れない。しかし、それではいけないと思うのだ。できるだけ穏やかに、ゆっくりと話し始めると、静かに泣き出した。レッスンしていても、繰り返し涙を流していた。「すみません」と言ったのは本当の気持ちだったと思う。
言葉には重みがある。今回、私が言った事もいつまでも残るのかも知れない。私も反省多々の人生を送っている。

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