今年もPMF2025が始まりました。今回はキタラではなく、苫小牧と五稜郭で車旅をしながら聴いてみたいと思いました。最終日は芸森でピクニックコンサートに出掛けます。それにしても、苫小牧市民会館は初めてのホールでしたが、かなり年季の入ったホールでした。15時開演なのに、13時に駐車場を見に行くと、既に満車状態で並んでいる人が居て驚きました。
2025年7月12日(土)15:00開演
苫小牧市民会館 大ホール
指揮:カリーナ・カネラキス
ヴィオリン:互明 佳簾
管弦楽:PMFヨーロッパ&PMFオーケストラ
目次
第1楽章:Allegro moderato
第2楽章:Adagio di molto
第3楽章:Allegro,ma non tanto
今回は早くからチケットを取れたので良い席でした。指揮者もソリストも女性なのです。それにしても、ヴァイオリンのソリストは日本人ではないと思って最後まで演奏に聴き惚れていました。五名佳簾(カレン)さんは父親がドイツ人、母親が日本人で東京生まれのハーフ。しかし、すぐにカナダに移住したそうです。
シベリウスはヴァイオリニストを目指していましたが、極度のあがり症のため作曲家に転向しました。このヴァイオリン協奏曲ニ短調は、交響曲第2番ニ長調と共によく聴いている大好きな作品。目の前で、スレンダーが女性がキリリとステージに立ち、演奏が始まったとき、その研ぎ澄まされた第一音に鳥肌が立ちました。こんな素晴らしい演奏を生演奏で聴けるのはラッキーだと思いました。
繊細な音から迫力のある音、これでもかというくらい超絶技巧の嵐で相当な難曲であることが分かります。北欧らしい空気感が伝わってくる印象的な第1楽章が終わったとき、はじめさんは「やはりストラディヴァリなのかね」といっていましたが、そのようです。
優美な第2楽章、そして、フィンランド民謡のような特徴的なリズムに聴衆も一緒に踊り出したくなるような感じ。この作品の中で特に第3楽章が耳に残りました。圧巻の演奏に拍手が鳴り止まず、アンコールに応えてくれました。公演が終わったとき、アンコールの曲は何だったのかと思いましたが、キタラのように張り出しはありませんでした。美しい曲でした。
intermission
指揮者の女性、ニューヨーク出身のカリーナ・カネラキスさんもスレンダーな女性。しかし、もの凄いエネルギーを感じる指揮でした。PMFには12年にコンダクティグ・アカデミー生として参加され、今年客演指揮者で初めてPMFに登場。
お馴染みのウィーンフィルのライナー・キュッヒルさんや教授陣がPMFオーケストラに加わって一段と豪華。ワクワクします。
長い事、PMFを応援し聴き続けていますが、必ずマーラーの作品と取り上げている感じです。まず大曲で難曲。第1番「巨人」を聴くのも何度目になるだろう。
第1楽章はカッコ―の鳴き声が広がります。明るくメルヘンチックな音楽に惹き込まれていきます。最も耳から離れなくなるのは第3楽章。「フレールジャック」が短調で奏でられ、やがて美しい世界へと誘われる。いよいよ圧巻のフィナーレ第4楽章は、音楽が爆発する感じ。最後は指揮者のカリーナさんが式台から落ちそうになるくらいの熱演でした。終わると、すぐ後ろの男性が「ブラボー!」。
初めての苫小牧公演でしたが、素晴らしい演奏を聴くことができて大興奮。とても感動しました。これだけの演奏を聴きたくて、2時間も前から並ぶ人も居たことに納得しました。