Little Players News

No.144 2010 3月

日が長くなってきました。風はまだ冷たいですが春の足音が聞こえてきますね。

ピアノ Q&Aコーナー②

1月号から新しく始まったコーナーで、日頃の練習の悩みやピアノに関する質問などにお答えするという企画です。 今月は第2回目。 ベテランの生徒さんの質問です。

装飾音を上手く弾くにはどうしたらよいでしょう? 投稿者 F.H ピアノ歴 14年

Q. 「装飾音の弾き方が上手くありません。装飾音を外して弾いて、もとの形を覚えてから付け加えてみても、
    その部分が目立つような演奏になってしまいます。上手く弾く方法をおしえてください。」

A. 装飾音には色々な種類がありますが、2つ以上の前打音やトリルを綺麗に入れるのは難しいですね。 
   うまくいかない要因としては、
   ①りきんでいる。
   ②指使いに無理がある。
   ③指が鍵盤にタッチしていない(鍵盤を叩いてしまっている)。
   ④指が弱い(うまく動かせない)。
   といった事が考えられます。 ④は練習あるのみですが、①から③の要因であることも多いので、指を見ながら弾いてみたりして原因を探ってみてください。
   指使いを変えると、①②③④が解決して、悩んでいた事が嘘みたいに弾けてしまう事も多いですよ。
   柔らかいタッチで、曲のテンポが変わらないように軽く弾きましょう。

装飾音とは

 メロディの中の音などを装飾するため、通常小さく付け加えられている音符または記号を装飾音、装飾記号と言います。 メロディを華やかに表情を豊かにするために用いられます。

装飾音の種類

トリル 

ある音と、それより2度上または下の音とを代わる代わるさざなみのように細かく速く奏する。 

前打音
主音の前に小さな音符で書かれています。 主音符の拍の前に素早く軽く奏します。

モルデント 

もとの音から始め、2度下の音を素早く奏します。ドならドシドという風に。 

回転モルデント(ブリルトリラー) 
モルデントと逆に2度上の音を素早く弾きます。ドならドレドという風に。

ターン 

書かれた音の上下を回転するように奏します。例えばドならドレドシドという風に。

アルペジオ

分散和音といい、和音の下から順番に素早く弾きます。

前打ち音は作曲家により奏法が異なります

楽譜上は同じでも、バッハなどのバロック音楽では装飾音の最初の音と拍の頭を揃えて弾きます。 
それ以降のモーツァルト、ベートーヴェン、リスト、ブラームス、ラヴェルなどは装飾音を拍の前に弾きます。 
ただし、ショパンの装飾音はバッハと同じ弾き方です。