「ペトリューシュカ」からの3楽章

今月号の教室の新聞で取り上げたストラヴィンスキーの「ペトリューシュカ」。「ペトリューシュカ」は、人間の心を持ってしまった わら人形の葛藤を描いた作品です。「ペトリューシュ」カは、ロシア版のピノキオであり、悲しいことに、人間ではないのですが感情を持つようになり、人間に憧れています。「ペトリューシュカ」は時々引きつったようにぎこちなく動き、人形の体の中に閉じ込めれらた苦しみの感情を伝えています。

10月に札幌コンサートホールKitaraで行われるピアノ・リサイタルのプログラムに入っていたことを思い出した。ピアニストは札幌在住の医師でありピアニストでもある上杉春雄氏。そういえば、上杉氏はデビュー当時、確かこの曲を録音していたはずだと思って調べてみると、残念ながら廃盤になっていた。それが、何故か今日届いたのだ。どうやら、はじめさんが中古を探して手配したようだ。ジャケットを見ると若い~。20歳の頃の録音。

早速、聴いてみた。音がはじけている!まるで炭酸水を飲んだかのように爽やかで楽しい演奏である。ライナーノーツには三枝成章氏が「これほどみずみずしいペトリューシュカを耳にしたことがありません。楽しみながら、のびのびと演奏している様子が目に浮かぶようです。」とコメントしていた。

あのアルトゥール・ルービンシュタインが自分のために世界で一番難しい曲を書いて欲しいとストラヴィンスキーに依頼して1921年に書かれたのが「ペトリューシュカ」からの3楽章。第1楽章の『ロシアの踊り』のスコアを見たら3段譜で和音を素速く弾き続けなくちゃならない。わ、腱鞘炎になりそうだ。

この第1楽章は「のだめカンタービレ」で一躍有名になりました。マラドーナコンクールの本選に向かうバスの中で、のだめが必死に楽譜と向き合っているその時に「きょうの料理」のテーマ音楽が流れてきちゃって、なんとステージで『ロシアの踊り』と「きょうの料理」を混ぜこぜにしてしまうというものでした。まぁ確かに似ていると言えば似ているけれど、ちょっとおちゃらけているシーンでもありました。

第2楽章『ペトリューシュカの部屋』は、主人公の屈折した心情と悲哀なのだそうです。

第3楽章『謝肉祭の日』は、ピアノという楽器が持つ華麗な演奏機能が展開されるように書かれたということですが、なるほどラヴェルの作品に通じるものがあるなと思いました。華麗な音楽です。

10月の上杉氏のリサイタルが今から楽しみです。

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